マラウイ JICA-JSPS専門家派遣事業ワークショップ・JSPS事業説明会(2012年6月開催)

更新日:2012/06/27

日時: 2012年6月14日
会場: マラウイ大学Chancellor校
主催: マラウイ大学生物学部昆虫学教室およびJICA Vectorプロジェクト
共催: JICAマラウイ事務所、JSPSナイロビ研究連絡センター、在マラウイ日本大使館
参加者: ワークショップ 44名(Chris Kamlongera マラウイ大学Chancellor校長、Robert Ridley マラウイ大学副総長、Matilda Chithira マラウイNCST所員、斉藤 克郎 JICAマラウイ事務所所長、塩塚 美那子 同所員、前川 芳秀 同専門家、浅野 有紀 在マラウイ日本大使館書記官、一瀬 休生 長崎大学教授、加藤 誠治 同教授、井上 真吾博士、白石壮一郎 JSPSナイロビ研究連絡センター 所長ほか)、事業説明会約120名(マラウイ大学学部学生、大学院生、若手研究者)

①JICA-JSPSの科学技術研究員派遣事業(dispatch)「マラウイ国再興感染症ウイルス及び媒介蚊の調査方法開発」の開催した中間報告ワークショップに参加し、JSPS事業説明をおこなった。また、②国立マラウイ大学学部学生大学院生、若手研究者を聴衆に迎えた事業説明会を在マラウイ日本大使館とともにおこなった。

ワークショップ

JICA-JSPSプロジェクト中間報告ワークショップは「Workshop for the Establishment of Network in Malawi against Arbovirus Diseases」と題され、Audio Visual Roomでおこなわれた。日本側からは、長崎大学ケニア拠点から参加した研究者2名が発表したほか、JSPSナイロビ研究連絡センターから白石が、在マラウイ日本大使館からは浅野有紀書記官が日本への留学、在外研究プログラムなどの事業説明をおこなった。

マラウイ側からは、科学技術委員会(National Committee of Science and Technology)所員から同機関の役割、同国での科学技術、学術の動向などが発表され、続いて同国での日本人研究者との共同研究ないし日本人の現地調査研究の歴史、本プロジェクトに関わるアルボウィルスの研究概要、前川専門家の主導する全国的な現地調査の概要などが発表された。加えて、本プロジェクト実施の拠点であり、全国現地調査で採集した蚊のサンプルを保存している実験室の視察をおこなった。

若手研究者を中心とし、参加したマラウイの研究者との議論の感触から、かれらの本プロジェクトへの熱心なかかわりが伝わってきた。また、実験室も実験機材(JICA供与)も予想以上にメインテナンス状態がよく、今後も本プロジェクトを基礎とした研究が成長・発展していく可能性を感じることができた。

※ 当日プログラムは → こちら

 


【写真1】参加者記念撮影。大学の立地するZombaは高地で冷涼な気候だ。

事業説明会

一方、夕方から会場をGreat Hallにかえておこなわれた事業説明会には、学部生、大学院生など100名以上が集まった。JSPSがマラウイで事業説明会をもったのは今回が初めてである。ワークショップからひきつづき、在マラウイ日本大使館からは浅野有紀書記官が日本への留学に関しての説明を、JSPSナイロビ研究連絡センターからは白石が海外事業の説明をおこなった。また、学部・大学院留学に関しては経験者を代表してマラウイ大学講師のChomora Mikeka博士が、JSPSによるポスドク研究滞在に関してはウガンダから招待されたNARO研究員のAndrew Kalyebi博士(東アフリカJSPS同窓会役員)が、それぞれ自らの経験を用意したPower Pointのスライドを交えながら講演した。

同国は英語圏(公用語は英語、チェワ語)。英語圏の学生にとっては、やはり留学先や在外研究先として真っ先に想定されるのは英米である。しかし、日本に関しては情報がまだまだ少ないという現状がある。JICA-JSPSプロジェクトの存在によって、学内での日本のプレゼンスは上がっていることは間違いないが、やはり大使館やJSPSなどの担当者から必要とされる手続きや支給される費用などに関して直接の説明を聞き、経験者から日本での生活について具体的なエピソードをともなって聞くことは、かれらの内にあるニーズを形にするためにはとても重要なことである。質疑応答の時間には数多くの質問が出され、これから各プログラムへの応募者が徐々に出てくることが期待できた。

※ 案内フライヤーは → こちら


【写真2】会場ホールで熱心に説明を聞く聴衆。学部学生、大学院生が大部分だった。

 

謝辞

以上のワークショップ、事業説明会ともに、現地ではJICAマラウイ事務所にお世話になった。とくにコーディネイトにあたってくださったJICAマラウイ事務所の塩塚美那子所員、専門家の前川芳秀博士には、記して感謝したい。

(白石 壮一郎)

 


【リンク】マラウイ国再興感染症ウイルス及び媒介蚊の調査方法開発(JICA-JSPS vectorプロジェクト)

 ◎ プロジェクト基本情報は → こちら(JICA webページ)

 ◎ 概要レポートは     → こちら(JICA webページ)

 ◎ 現地活動報告書は    → こちら(JSPS webページ)

【リンク】長崎大学アフリカ拠点/長崎大学熱帯医学研究所ケニア拠点

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