第182回学振ナイロビセミナーのご案内(2017年1月30日(月))

更新日:2017/01/20

第182回学振ナイロビセミナーを開催いたします。
長年ケニアで野生動物の研究をなさっている山根裕美先生に講師を務めていただきます。

開催日時:2017年1月30日(月) 10:30-12:30
講師:山根 裕美 先生(日本学術振興会海外特別研究員、ケニア野生生物公社客員研究員、NPO法人ワイルドライフ・プロミシング)
発表概要:
2009年より、ナイロビ、特にナイロビ国立公園周辺を主なフィールドとして野生のアフリカヒョウ(Panthera pardus)を対象に保全生態学研究を実施しています。ケニアの首都ナイロビに生息するヒョウの生態とそこに住む人々の関わりについて調査を進めてきました。

日々都市化が進むナイロビで、ヒョウをはじめとした野生動物は、環境の変化に対しどのように行動や生態を変化させ対応しているのでしょうか。ナイロビ国立公園周辺地域に居住する人々は、野生動物との「共存」についてどのような考えを持っているのでしょうか。また、ケニア人にとって野生動物とはどのような存在なのでしょうか。都市化と自然資源保全の両立は可能なのでしょうか。現在おかれているナイロビ国立公園を取り巻く環境を、ヒョウという野生動物を通して、またそこに居住する多様化した住民の生活を通して、生態学的な側面と社会学的な側面から考察することで、これからの都市における野生動物保全とケニア全土におけるアフリカヒョウ保全のモデル構築を目指しています。

本セミナーでは、わたしが2009年1月から2013年12月まで、ナイロビ国立公園とその周辺で実施してきた調査の結果と、今年度より開始した、アフリカヒョウ再導入個体のモニタリングについてお話させていただきます。(再導入:ヒョウと人々の軋轢の問題が深刻化する中で、その軋轢緩和策として、問題のあるヒョウを捕獲し、人為的に移動(Translocation)するという策)

野生動物保全は、一部の保全活動家や動物愛護団体が取り組む問題ではなく、ケニアでは、野生動物の生息地と居住を共にしている地域住民の生活に、日々密接にかかわっている深刻な問題です。野生動物を保全すると同時に地域住民の生活の安全について討論していく必要があり、地域住民と協働してはじめて持続可能野生動物保全が可能になると考えています。

会場の皆様と共に野生動物、地域住民の生活、保全をテーマに考察できればと考えています。

発表言語:日本語
会場:日本学術振興会ナイロビ研究連絡センターセミナー室
→アクセス https://www.jspsnairobi.org/access

Japan Society for the Promotion of Science, Nairobi …
www.jspsnairobi.org
Japan Society for the Promotion of Science, Nairobi Research Station (日本学術振興会ナイロビ研究連絡センター)

(google map: 1°16’29.3″S 36°46’08.4″E)

参加費:無料
お問い合わせ先:溝口大助・上村知春(jsps1[at]africaonline.co.ke)

山根先生は、研究活動を行いながら、ヒョウの孤児をご自身でお育てになった経験も持っていらっしゃいます。躍動感あふれるお話をぜひ聞きにいらしてください。皆さまのお越しを、心よりお待ちしております。

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