第167回学振ナイロビセミナー 報告(2011年11月 開催)

更新日:2012/06/07

発表題目: Recent Life Science Research in Japan (英語による口頭発表)

日時: 2011年11月17日
場所: JSPSナイロビ研究連絡センター書庫 兼セミナー室
演者: 浅島 誠 先生 (日本学術振興会理事/東京大学名誉教授)
出席者: 研究者、在ナイロビ日本人ほか 約20名

今回は、国際大学協会(International Associations of Universities)会議ご出席のためケニアに渡航された浅島誠先生にご講演いただいた。浅島先生は、発生生物学がご専門で、生物の発生と再生の謎に半世紀ちかく取り組んでこられた。私は20年前の高校生物の知識しか持ち合わせないので正確なご講演内容の報告は割愛するほかないが、浅島研究室は、生物の中肺葉誘導因子のなかから決め手となる物質がアクチビンであることをつきとめ、これを用いてアフリカツメガエル肺の未分化予定外胚葉片(animal caps)から試験管内でさまざまな組織・器官を作り出すことに成功している。こうした発見を紹介されたあと、日本における生物学、生命科学のこれからの展望について述べられた。

asashima

講演される浅島先生

 

また浅島先生は、国際学術交流のための当会JSPSの概要と国際事業の取り組み、および東京大学の取り組みPEAKについても参加者に解説された。

私個人としては、大使公邸での晩餐会からの帰路、車中にてお聞きした先生のお話が印象的だった。さいしょの重要な発見までに15年、それまでに読まれた論文がおよそ20,000本にのぼるのではないかという。「しかし、そんなものは研究が好きで、楽しかったら問題ではないんだよね」。

(白石 壮一郎)

asashima fukukawaセミナー後の1枚

(前列:神戸俊平〔獣医師〕、古川佑子〔東京理科大学国際化推進センター長〕、白石〔ナイロビセンター〕、浅島先生。

後列:吉田龍太郎〔Mpala Institute〕 、荻荘隼太〔秋田大学/ケニヤッタ大学〕)

【リンク】 東京大学浅島研究室

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